朝晩には秋風が感じられる季節となりました。業務の見直しや年末の投資計画を本格的に進める企業も多いのではないでしょうか。
今月号では、「新システム導入時の社内抵抗をどう乗り越えるか」というテーマに焦点を当て、購買部門の管理職層の皆さまにとって実践的なヒントをお届けします。
ポイント:抵抗要因を把握し、対策を講じることが成功の第一歩
2025年8月に実施した弊社最新調査では、システム導入に際して最も多かった障壁が「業務プロセスとの適合性」(39.8%)であり、次いで「コスト」(28.9%)、「社内の理解・協力不足」(18.1%)が続いています。
こうした要因を見過ごしたまま導入を進めると、せっかくの投資も“現場で使われない”失敗に終わりかねません。
理由:システム導入は「技術」より「人」の問題で失敗する
実は、システム導入が失敗する多くの原因は「技術的な問題」ではなく、「人」に関わる問題です。たとえば:
• 経営層は「費用対効果」を疑問視
• 中間管理職は「権限縮小」や「業務の透明化」への不安
• 現場担当者は「手間が増える」「慣れた業務を変えたくない」
このように、立場によって懸念が異なるため、一律の説明では納得は得られません。
例えば:チェンジマネジメントで抵抗感を乗り越えた事例
ある大手企業では、以下の3つの施策で抵抗を最小化し、購買システムの定着に成功しました:
1. 関係者ごとの懸念整理(経営層・管理職・現場別)
2. 「業務がどう良くなるか」を役割ごとに可視化した資料提供
3. 部門横断プロジェクトチームを組成し、早期から現場を巻き込む
結果、現場の声を吸い上げたことで無理のないプロセス設計ができ、運用開始後の定着率が大きく向上しました。
追加:チェンジマネジメントの失敗例に学ぶ
逆に、現場への説明が後手に回り、導入スケジュールが優先されてしまったケースでは、「何のためのシステムなのか」が不明確なまま運用が開始され、現場がExcelに逆戻りした例も報告されています。“導入=終わり”ではなく、“定着=スタート”という認識が必要です。
チェンジマネジメントは感情への配慮が不可欠です。業務負担や混乱を不安に思う現場の声に丁寧に寄り添い、「変える価値がある」と納得してもらうためのプロセス設計と対話が、導入成功の鍵を握っています。
