パーチェスワン・メールマガジン 2025年10月号 【失敗しない購買改革】
コスト削減も承認時間も「数字」で示せ!

拝啓 実りの秋、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

今年も残りわずかとなり、年度末に向けた“成果の見える化”が強く求められる時期となりました。

本日は、購買部門の中間管理職(部長・課長クラス)の皆様へ、改革の成果を「数字」で証明するためのKPI設定と運用法をご紹介いたします。

※本記事は、2025年9月に実施した弊社独自の購買担当者実態調査をもとに構成しています。

Problem(問題提起):なぜ購買改革は“評価されにくい”のか?

購買改革に取り組んでいる企業は少なくありませんが、現場の努力が数値で伝わらず、社内の評価や投資継続に繋がらないという声が後を絶ちません。

特に部課長層にとっての課題は以下の通りです:

  • 経営層へ効果を定量的に報告する材料がない
  • システム投資のROI(投資対効果)を示せない
  • 改善活動が“見えない努力”として埋もれてしまう

実際、調査でも「投資対効果(ROI)の説得力が足りない」ことがシステム導入の障壁とされており、初期費用や運用コストと並んで社内の説得材料としての“KPI不足”が顕在化しています。

Reason(原因):KPIの不在と属人的な業務フロー

多くの企業では、「購買=コストを下げる部署」とされながらも、定量的な評価指標が未設定または場当たり的に使われているケースが多数です。

アンケート調査では、購買部門の主要課題として

  • 「購買プロセスの非効率性」(31.7%)
  • 「コスト管理が不十分」(27.9%)
  • 「社内承認プロセスが遅い」(24.0%)

などが挙げられています。

これらの課題は定量的なKPI化が可能であるにもかかわらず、可視化されていないことが、業務改善の停滞と改革の軽視を招いているのです。

Example(具体例):購買KPIで「成果を見せる」方法

以下に、購買業務における代表的なKPI項目と運用のヒントをご紹介します。これらは実際に導入企業で活用されている項目をベースにしています。

① コスト削減率(%)

• 【定義例】前年対比での直接材・間接材のコスト削減率
• 【運用例】部門別・サプライヤ別・品目別で分解分析
• 【補足】相場変動の影響を除いた「純粋な交渉成果」として報告するのがポイント

調査でも41.3%の企業が「コスト削減効果」を導入の主要成果としています。

② 承認リードタイム(平均時間)

• 【定義例】購買申請から最終承認までの平均処理時間
• 【運用例】部門別での差異分析・ボトルネック検出
• 【補足】部門横断の協力体制を可視化することで、業務スピード改善の成果を共有しやすい

全体の21.2%がこの「社内承認プロセス迅速化」を導入目的として挙げており、部課長主導での改善が特に求められています。

③ 手作業削減率(工数ベース)

• 【定義例】紙やExcelでの処理作業時間削減の割合
• 【運用例】一部システム化/完全システム化での移行前後比較
• 【補足】週単位・月単位で「どの業務が何時間削減されたか」を実績として蓄積

現在、47.1%の企業が一部システム化にとどまっており、完全自動化の余地は大きく残されています。

④ 購買依頼から発注までの平均処理時間

• 【定義例】依頼登録から注文書発行までの平均時間
• 【運用例】依頼頻度・案件金額・サプライヤ別でのばらつき確認
• 【補足】全社スピードのKPIとしても使いやすく、現場が改善しやすい指標

⑤ 支出一元管理率(Spend Under Management)

• 【定義例】購買管理システムを通じて管理されている購買金額の割合
• 【補足】全体の購買金額のうち、どの程度が「見える化」されているかの指標

回答の34.6%が「データの一元管理」を導入目的に挙げており、経営への報告資料としても説得力があります。

Point(結論):KPIは「成果を守る武器」

購買部門の取り組みを正しく社内に伝えるには、“KPIという言語”で効果を翻訳する力が求められます。

KPIを設定・運用することで、部課長クラスの皆様は以下を実現できます。

✅ 経営層への説得材料としての「数値的根拠」
✅ 改善活動の評価と継続的PDCAの土台
✅ 現場のモチベーションと連携強化

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