間接材購買部および間接部門における生成AI活用の最新事例 次世代間接材改革フォーラム2026
開催レポート

開催概要

  • 日時 : 2026年2月16日(月) 14:30〜18:00
  • 会場 : TODA HALL(東京都中央区京橋)
  • 主催 : SB C&S株式会社・ディーコープ株式会社
  • 参加企業 : 52社
  • 参加者数 : 86名

2026年2月16日(月)、東京都中央区京橋のTODA HALLにて、SB C&S株式会社・ディーコープ株式会社の共催により「次世代間接材改革フォーラム2026 〜間接材購買部および間接部門における生成AI活用の最新事例〜」が開催されました。製造・金融・流通・IT・サービス業など幅広い業界から52社・86名が参加し、生成AIを間接材購買業務にいかに実装し、競争力向上につなげるかをテーマに、4名の登壇者による実践的な講演が行われました。今回で第4回を迎える本フォーラムは、概論にとどまらない実務・実装事例を重視した内容構成となり、講演終了後には登壇者・参加者間のネットワーキングの機会も設けられました。

講演1 Gen-AX株式会社 鈴木祥太 氏
「生成AIの潮流と現在地~間接部門における業務変革の実践とこれから~」

Gen-AX株式会社営業統括本部 エバンジェリストの鈴木祥太氏からは、「生成AIの潮流と現在地 ~間接部門における業務変革の実践とこれから~」をテーマに、生成AIとAIエージェントをめぐる最新動向と、間接部門への具体的な影響についてお話しいただきました。鈴木氏はまず2025年を「AIエージェント元年」と位置づけ、仮説検証(PoC)段階だったAIエージェントの活用が、2026年には「AIエージェント実装元年」として本番稼働フェーズへと一気に移行する年になると説明しました。すでに国内大手企業のコンタクトセンターではAIオペレーターの本格導入が始まっており、中期的には大部分の問い合わせをAIが自律対応することを目指した先進的な取り組みが進んでいることを紹介しました。もう一つのキーワード「フィジカルAI元年」では、製造・物流現場で稼働する産業ロボットにAIが組み込まれ、自律的な判断・行動が可能になる時代が現実のものとなりつつある潮流を解説しました。

間接・購買部門への示唆として鈴木氏が特に強調したのが、「問い合わせ対応業務」こそ最大のROI創出領域であるという点である。間接材コストを数パーセント削減することすら困難な現状と比べ、問い合わせ対応業務ではAI活用によって最大約80%のコスト削減が見込めると説明しました。FAQ管理の属人化、複数チャネル間のデータサイロ、人事異動による対応品質の低下という三大課題を解消するAIソリューションの活用が、間接部門の変革を加速させる鍵であると訴えた。

講演2 ソフトバンク株式会社 西原 万純 氏
「ソフトバンクのAI活用事例 〜購買部門含むさまざまな実践的な取り組みをご紹介~」

ソフトバンク株式会社AIプラットフォーム開発本部 AIインテグレーション統括部 統括部長の西原万純氏からは、「ソフトバンクのAI活用事例 〜購買部門含むさまざまな実践的な取り組みをご紹介~」をテーマに、同社が全社規模で推進するAX(AIトランスフォーメーション)戦略の最前線をご紹介いただきました。西原氏はエンジニアではなく営業出身でありながら、現場の業務効率化を目的にAI推進を自ら担ってきた経歴を持ち、現在は社内AI実装のノウハウを顧客支援にも生かしている立場から講演した。同社が取り組む「フィジカルAI」では、通信基地局にAI処理基盤を搭載する「エッジAI」のアプローチによってロボットへのリアルタイム指示を実現しており、国内大手産業ロボットメーカーとの連携など日本市場での本格展開も進行中であると紹介した。さらに、OpenAIとのパートナーシップに基づくエンタープライズ向けAIエージェントプラットフォームや、専門家・熟練者の経験知をAI能力へと変換する「暗黙知のAI化」についても解説しました。

全従業員が一定数のAIエージェントを自ら開発するという全社的な取り組みを通じて組織のAIリテラシー向上と文化醸成を実現したことも紹介され、参加者の関心を集めました。購買部門での活用例としては、市場調査からサプライヤー比較・交渉支援までを4段階のワークフローでカバーする「調達交渉エージェント」のデモを提示し、人間がAIの提案を確認・調整する「ヒューマンインザループ」のアプローチにより、安全かつ実践的な調達支援が実現できることを示しました。
※調達交渉エージェントについて、外販の予定はありません(2026年2月時点)

講演3 Miletos株式会社 宮村知秀 氏
「AIだからできるデータ活用が、大企業の経費精算・請求書支払プロセスを高度化する」

Miletos株式会社執行役員 / SAPPHIRE事業部 事業部長の宮村知秀氏からは、「AIだからできるデータ活用が、大企業の経費精算・請求書支払プロセスを高度化する」をテーマに、日常的な経理業務にAIを組み込むことでプロセス全体がどのように変わるかについて、実践的な視点からお話しいただきました。同社は創業10年のB2B AIカンパニーとして、大企業向けに支出管理および入金消し込み領域に特化したAIプロダクトを開発・提供しています。宮村氏はまず、不正が発生するメカニズムを「動機・正当化・機会」の3要素で説明する「不正のトライアングル」というフレームワークを紹介しました。従来の人手による統制は予防と発見の2軸に限られており、統制を強化するほど業務効率が低下するというトレードオフから逃れられなかったと指摘しました。AIを前提としたプロセス設計では、この3要素全てに対してAIが同時に作用するため、統制と効率の両立が初めて実現できると説明しました。

経費精算の場面では、領収書画像の自動検証・重複申請の検知・勘定科目の自動予測に加え、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応も自動化できると紹介しました。請求書支払い業務においては、AI-OCRによるデータ取得の自動化や、発注書・納品書・請求書の整合性を確認するN点突合、承認フローの大幅な高速化を実現していると説明しました。AIを「不正防止の最後の砦」ではなく「業務変革の起点」として捉える新しい視点は、参加者に大きな気づきをもたらした。

講演4 株式会社KK Generation 藤田浩之介 氏
「間接材購買部門の建設案件における生成AIを活用した見積評価手法」

株式会社KK Generation代表の藤田浩之介氏からは、「間接材購買部門の建設案件における生成AIを活用した見積評価手法」をテーマに、建設業界固有の課題をAIで解決する取り組みをご紹介いただきました。元経営コンサルタントとして7年間の実績を持つ藤田氏は、課題起点のアプローチを基本に、建設事業会社・建材メーカー・インフラ企業・自治体・店舗企業など幅広い顧客向けに図面解析AIサービスを展開している。同社が提供するのは4つのプロダクトです。「積算AI」は平面図から壁・面積を自動算出しキープランや建具表・仕上げ表と統合することで詳細な積算を実現しており、大手インフラ企業では見積もり数量の自動チェックによって10億円規模の過払い防止を達成した事例も紹介されました。「図面チェックAI」は設計図書の要件適合をOK/NGで自動判定し根拠を表示するもので、建具表・平面図・立面図の整合性チェックにも対応しています。「図面検索」は過去の類似図面や工事実績をデータベースから検索してノウハウを即座に活用できる仕組みであり、「図面生成」はスケルトン図面からゾーニングや什器配置まで自動生成する機能で、飲食チェーンの新規出店スピード向上にも活用されている。

藤田氏は「業務インパクト×実現可能性」のマトリックスで導入優先順位を評価すること、特化型AIと汎用生成AIを使い分けること、そして段階的に導入・改善を積み重ねるアプローチを推奨し、参加者に建設業以外にも通じる示唆を提供しました。

参加者データ

ご参加いただきました企業は、幅広い業種の企業に参加いただいた。

また、参加者の所属部門につきましては購買部門を中心としながらもAIをテーマとしていたこともあり、経営企画やIT・DX部門の方などにもご参加いただけました。

参加者の役職につきましても、幅広くかつ管理職や経営層の方なども多くご参加いただくことができました。

参加者の声(アンケート抜粋)

講演1 「生成AIの潮流と現在地 ~間接部門における業務変革の実践とこれから~」の感想

  • これからのAIの進化の流れについて非常に分かりやすくご説明いただけた。
  • 生成AIは単なる効率化ツールではなく、業務を分解・判断・実行するAIエージェントへ進化していることを改めて痛感した。
  • "AIエージェント実装元年"という言葉が印象的でした。自社でも具体的なアクションを考えるきっかけになりました。
  • FAQ作成支援機能の具体的な実装ステップについても、あわせてご紹介いただけるとさらに参考になりました。

講演2 「ソフトバンクのAI活用事例 〜購買部門含むさまざまな実践的な取り組みをご紹介~」の感想

  • AIエージェント作成の経緯・プロセスについて、非常に分かりやすくご説明いただけた。
  • AIをただやみくもに活用するだけでなく、データ基盤・人材・ガバナンス設計が非常に重要であると強く感じた。
  • AXで目指すべきレベルや貴社での進め方を聞くことで、自身の業務のAX化に対するイメージが具体的に描けるようになった。
  • 購買業務のAX化について、明確な内容があり大変興味深かったです。購買部門に特化した実装事例についても、さらに深掘りして伺えると良かったです。

講演3 「AIだからできるデータ活用が、大企業の経費精算・請求書支払プロセスを高度化する」の感想

  • 支払い事務において、単なる合理化だけでなく、不正防止にアプローチしたAI活用のお話は聞く機会がなかったため、大変参考になりました。社内の支払い部門にも共有したいと思います。
  • 不正のトライアングルをAIで機会そのものをなくしていくという考え方が非常に参考になりました。ありがとうございました。
  • 経費申請時にAIのチェックが入る仕組みが良いと思いました。業務品質の向上と効率化が同時に実現できる点が魅力的です。
  • 今回は調達部門として参加しておりましたので、精算・経理業務は直接の担当外となりますが、AI活用による業務変革の考え方として大変参考になりました。

講演4 「間接材購買部門の建設案件における生成AIを活用した見積評価手法」の感想

  • AI導入は業務インパクトと実現可能性の高い領域から始めるべきだと明確に示されていた。技術ありきではなく、成功事例を積み上げていく進め方こそがDX推進の鍵だと感じた。
  • 図面・積算に特化した建築業務の自動化について、非常に分かりやすくご説明いただけた。
  • いきなりツールを提示するのではなく、最適なソリューションを検討するステップを設けておられることに、地に足のついたアプローチだと感じました。
  • 購買部門として直接的な活用イメージは難しい部分もありましたが、建設業においては非常に重要な内容であると理解しました。勉強になりました、ありがとうございました。

フォーラム全体について

  • 初めて参加させていただいて、とても有意義でした。これまで参加させていただかなかったことを後悔しました。今後も有意義な内容に期待しています。
  • AIを導入した後、業務効率だけではなくプラスになる部分も意識する、という言葉が印象に残りました。本日はありがとうございました。
  • 次回は、特定業種(製造・化学など)における間接材調達へのAI活用事例や具体的な実装プロセス・効果についての講演もぜひお願いしたいです。

おわりに

本フォーラムでは、間接材購買がもはや単なるコスト削減の手段ではなく、企業競争力の源泉となる「戦略的価値」を持つことが改めて示されました。AI・DXによる自動化と、ガバナンス強化や人の判断力をどう組み合わせるかが、今後の成功の鍵です。参加者の多くが部門や業種を超えて知見を共有し、実践に向けたヒントを持ち帰る場となりました。ここで得た学びを各社の改革推進力へとつなげ、持続的な成長を実現していくことを期待します。

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